1992年、バルセロナオリンピック。
男子マラソン谷口浩美選手の言葉を覚えていますか?
22.5キロ地点、後続の選手にかかとを踏まれ不運にも転んでしまった。
しかし、ゴール後のインタビューに答えた一言が、とても爽やかだった。
笑顔で「こけちゃいました」。
2013年、伊勢崎シティマラソン。
最前線に並んでいるのは招待選手達。
そう箱根駅伝出場の地元上武大学陸上部。
少しでも前からスタートしたいと思い、遠慮しながらもすぐ後ろの端についた。
別にタイムはどうでもよかった。
ただ完走できればいいと思っていた。
開高健が「人生は冥途までのヒマつぶし」と言っていたので、
それをもじって「マラソンはゴールまでのヒマつぶし」なんて余裕をくれていた。
メロスは走った。
メロスは最後の一片の残光も消えようとした時・・・・間に合った。
「で、どうした?」
15.2キロ地点、制限時間が刻一刻と迫っている。あと200mぐらい。
・・・・ざんね~ん!タイムオーバー!!
「ヒマ、・・・つぶしすぎちゃいました」。
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